本ログ

今年記念すべき100post目は本ログです.

慟哭―小説・林郁夫裁判 (講談社文庫)
これはすごい.13年前に実際に起こった事件を,刑事裁判を中心とした取材から映し出す手法は,小説にあって小説にあらず.筆者は相当時間をかけ,膨大な資料と向き合ったに違いない.1行1行にその裏にある情報量の多さと広がりが感じられる.近年稀に見る大ヒットの本だった.当時大学に入ったばかりの自分にはこの事件の背景をよく理解していなかったが,今更ながらよく理解できた.オウム事件に興味のある人はぜひ一読すべきだと思う.

ブログ論壇の誕生 (文春新書)
いつもながら,佐々木氏のインターネットを使った調査と分析のするどさ・スピード感には驚かされます.この本はロスト・ジェネレーション(ryojin3はピッタリこの世代)vs団塊の世代という対立軸を中心に,ネットで起こっている様々な出来事がレポートされています.まさに旬なインターネット社会学/インターネットメディア論.今インターネットがどうなっているのかがよくわかります.

日本の国宝、最初はこんな色だった (光文社新書)
歴史考証を踏まえて文化財をデジタル復元してきた筆者の体験が綴られた本.元の文化財とデジタル復元画像の比較写真がたくさん載っており,ただパラパラ眺めるだけでも楽しい.どのように文化財という色の再現が難しいモノに対してデジタル復元に取り組んでいくべきか,様々な事例に基づいて紹介されているのもうれしい.筆者が技術の人ではないからかもしれないが,もう少し技術的な話が多いとよかったなぁ.

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