デジタルネイティブ digital natives 〜次代を変える若者達〜 を見た

HDDに撮っておいたNHK特集「デジタルネイティブ digital natives 〜次代を変える若者達〜」を見ました.

デジタルネイティブとは,多分米国ガートナー社のピーター・ソンダーガード氏が2006年に定義した言葉で,「生まれた時からネットやコンピュータがある状況で育った16歳以下の子供たちのこと」だそうです.

参考
特集では特に16歳以下(ガートナー氏の定義から2年経つから,18歳以下か)と限定していませんでしたが(実際16歳以上のケースもあった),生まれた頃からネットがあり,ネットと共に成長し,ネットがあるのが当たり前な人達のことを総称してデジタルネイティブと呼んでいるようでした.

番組では,そんなデジタルネイティブが起こすムーブメントを,いくつかの事例と共に紹介していました.

ケース(1)
Elementeoというカードゲーム会社のCEO(12歳)登場.アイデアをベースに,ゲーム情報,ビジネス情報を全てネットで収集.デザイナーや編集者はElance(SNS)で探す.宣伝はYouTube.起業家支援金を元手に,現在1000万近くの売上あり.ちなみに,顧客管理は12歳の妹さん.
ケース(2)
13歳の男の子がネットに自分の日常を全公開.裸が見たいという人にお金を取って裸を見せる日々.をいをい.世界中の1500人と契約し,数千万円を稼ぐ.2年前に発覚してサイト閉鎖,現在裁判中.
ケース(3)
はてなが紹介.近藤さん登場.子供の出産をネットで公開したり,取締役会や個人面談を音声ファイル化して社内共有する等の取り組みが紹介.印象的だったのは,彼が言っていた,「情報の取捨選択をするのは「取る」側であり「出す」側ではない」ということ.そして,資本の論理を追わず,それよりももっと大事な「スタイル」の変化にこだわりを持っているということ.
ケース(4)
アメリカ・ボストンでWebサービスを売却し巨万の富を得たプログラマがデジタルネイティブに生活の場を提供.デジタルネイティブのほとんどはGoogleやAmazonを退職した若者たち.彼らが言うには,新サービスの創出のしやすさ.アイデアから開発,実行までに面倒なプロセスがないという世界でこそできるということ.
ケース(5)
都市部で20%の電気普及率のウガンダ・カンパラでエイズ撲滅活動を続けるスティーブン・カソマさん(25歳)の事例紹介.彼はネットカフェで勉強してオンライン大学を卒業.エイズ撲滅に向け,SNSで情報交換し,ニュース収集,資金データベース,プロジェクト管理,ブログ発信等,全てネットでこなす.国際エイズ会議に出席し,これまでネットで情報交換してきた仲間達と初対面をはたす.
ケース(6)
カナダトロントで行われている国籍や人種を超えたネットワーク作りの事例.現在は25〜26歳の人達が10台の頃に立ち上げた市民運動のためのSNS,TakingITGlobalを通じて世界的な市民運動を展開している.
その他

ハーバード大では,デジタルネイティブプロジェクトが取り組まれているようです.具体的には,デジタルネイティブが社会に与える影響,他の世代との違い,アメリカ,欧米,アジアで見られるデジタルネイティブの特質について分析を行っています.

John Palfrey教授によれば,デジタルネイティブは,
  1. 現実とネットを区別しない
  2. 情報は"無料"と考える
  3. 年齢・肩書き・所属を重視しない
  4. デジタルとアナログが融合する世界に生きている
という特質を持つとしています.

NHKも英語と日本語の動画投稿サイトを用意し,動画からデジタルネイティブの行動や考え方を探る実験を行っています.そこでは,
  1. 彼らには現実と仮想という区別はない
  2. 彼らにとってネット上の人間関係は必要不可欠なもの
とし,交流する人間の属性より,何を話すかに重点がおかれるとしています.また,デジタルネイティブ世代はリアル空間で生きる大人達よりネット空間分広がりを持っていると結論付けています.

近年,デジタルネイティブを議題とした企業カンファレンスもあるようですが,やはり近い将来世界の中心になるデジタルネイティブ達に,どうしたら企業で働いてもらえるようになるか,そのために企業はどのように変わっていくべきなのか,議論が絶えないようです.


オマケ

NHKにあったデジタルネイティブ度チェックをしてみたら,70%でした.

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